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大阿太高原梨が目指すもの
JAならけん五條・大淀統括
大淀経済センター課長 古 谷 和 良
古い歴史を持つ大阿太高原の梨栽培は農家の長年の研究と努力の結果、どこの産地にも引けを取らない高糖度で高品質な梨つくりをしています。この近年、消費者のニーズも多様化し、ひと昔前の「作れば売れる」時代ではなくなってきました。農家にすれば今までも一生懸命がんばってこられましたが、「どうすれば良い物が作れるか」と、これからもより一層の努力研究が必要になってきていると思われます。
農業は、一朝一夕に出来るものではなく、ましてや永年作物となれば尚大変な努力を強いられます。特に梨栽培は管理が難しく、作業工程も多く、その時期その時期に適切に行なっていかなければ収穫には結びつきません。
野菜や米作りのように、その年に失敗しても次の年には取りもどせる事は出来ますが、梨などの永年作物は、一度何かの障害があった時には、3〜5年ほどの回復時間が必要になります。遅れれば、その分収量などにも影響を受け、最悪の場合、今までの樹を切り倒して苗木から育てていくことになりかねません。このような、リスクを回避する為にも日頃の管理や作業がたいへん重要になるわけです。年間の作業としは、収穫が終わると元肥料の施用、つづいて剪定、棚くくり、芽かき、受粉、袋掛け、生育中の病虫害防除、そして収穫、販売などがあり、これらを適切に行うことにより良い結果に結びついていくのではないでしょうか。
大阿太高原梨農家においても多分にもれず、農家の高齢化、担い手不足という心配が起こりつつあります。今後、行政やJAも農家と共になってこの問題解消に早急に取り組まなければ手遅れになる可能性があります。
まず、梨づくりを魅力のあるものにするには「安心安全な梨つくりの取り組み」です。
現在、梨農家は高糖度、高品質を目指して良い有機肥料を施用し、また土つくりにも大変熱心に努力、研究をしており、これからも続けていただきたい所です。また、さけて通れないのは、梨の生育中の病害虫防除です。県やJAの作成した防除暦を基にその時期その時期に的確な防除を行ない、必要最低限の防除で済む様に努力していただいていますが、環境問題がさけばれている現在、防除回数をなるべく減らすことが求められてきています。科学的な防除だけに頼らず、害虫の数を減らすフェロモン剤や、夜間に飛来し被害を出すガ(ヤガ)やカメムシに対して忌避効果のある黄色灯の使用などの物理的防除を併用するなどの対策も効果があります。薬剤の種類においても開発されている有害な虫には効果はあるが他の昆虫には影響がないものも開発されています。また二十世紀梨など青梨に多い病害の対策では近年品種改良が進み、病害に強い「ゴールド二十世紀、おさゴールド」など在来種と味覚が変わらない品種が出来ていますので改植されることも減農薬対策の一つです。
次に、今、県が推進している「エコ・ファーマー」という制度があります。これは、色々な制約を行ないながら農家と消費者の間を近づけ、互いに関わりながら安心・安全な農産物を提供できる農家の認定制度です。制限する項目は、土つくり、化学肥料の施用量、防除回数、除草剤などです。この制度に基づく梨づくりでは、環境などに配慮しながら条件に合う梨作りの意志を持つ事が必要になり、いままでの経験からの栽培や管理方法を変えることになる農家もでてきますが、この認定制度の普及により消費者が安心して安全な食材を手に入れられ、生産者は「やりがいのある魅力ある梨づくり」ができることで後継者対策にもつながるのではないでしょうか。
これからは、これ以外にも生産コストの削減や農家全体で取り組んでいかなければならない諸問題もたくさんあります。すぐには解決しませんが、一歩一歩出来る所から取り組んでいただくことが大阿太高原梨の未来が切り開けていくのではないでしょうか。
どうか果樹組合のみなさんが一致団結して、これからも消費者に満足していただける産地を目指してご活躍ください。 |